その猫は腹を空かせていたのか僕の傍を離れようとしない。

人も殆ど居ないような場所。
冬の間のさびれた山間に湾があり、その海岸でこの猫にであった。
擦り寄ってきたからといって僕が何かできるわけもなく、僕は仕事を淡々とこなす。
可哀想だと思っても、実際問題として何もできはしない。
連れて帰ることも絶対にしない。
懐かれても困るのだ。

食べ物を与えたとしても、それは一時凌ぎにしかならない。
本当の意味でこの猫が幸せになることはないのだ。
可哀想かもしれない。
でも、助けるすべはない。
僕は飼い主にはなってあげられない。

僕のような仕事は生き物など飼えない。
常に出張の連続。
毎日の帰りも遅い。

なのに何故?
僕に懐こうとするの?
僕についてくるの?
僕は君に何もしてあげれないんだよ。

仕事が終わって、見つめる猫を尻目に僕は車を出した。
猫はそこに居続けて、次に来る誰かを待つのだろうか?


photo by GON
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by illy23 | 2005-02-23 05:36 | その他
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