2005年 01月 29日 ( 1 )
シュール
photo by GON
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いきなりこんな写真を見せたのにはわけがある。

以前僕の師匠筋にあたる先生の忘年会に出かけると、沢山の写真学校の生徒達がいて
その忘年会で出会う写真関係者を捕まえては自分達の撮影した写真を見せて評価をし
てもらっていた。
まあ他人に写真を見せて何らかのアドバイスをしてもらうのはは良い参考になるので、
「おおやってるやってる」てな具合で横目で見ていた。
僕も一通り年越しの挨拶を終えて師匠の所へ戻ったところで、この学生達に囲まれた。
その頃僕はまがいなりにもプロとして仕事をしていたので彼らも僕に写真を見せにきた
のだろう。
なので僕も気軽に「いいよ」ってな感じで彼らの作品を拝見した。
僕:「えっ?!」僕の第一印象である。
僕:「これしかないの?」(作品自体は一人モノクロプリントで20~30枚づつくらいあった)
学生:「はっ?何がですか?」
僕:「もちろん被写体。」
学生「これだけです。」
僕:「マジで?」
学生:「はい」
彼らはどうして僕がこんな事を言うのかわからない様子だった。
実は彼らの作品はいわゆる街角スナップなのだが、写っているものはゴミばかりだった。
そう本当にゴミなのである。(作品がゴミというわけじゃない)
しかも全てモノクロで使用レンズも50mm限定。
ありえない。しかも全員が全員プリント全部。「おいおい」って感じ。
びっくりでした。
一応僕は彼らに「これってシュールリアリズムの追及?」って聞いた。
学生:「先生が社会派の撮影をテーマにしろといいましたので。」
僕:「社会派ってルポルタージュの事じゃないの?」
学生:「先生の見本がこの様な写真でしたから。」
僕:「・・・・・・・」(誰だよその先生って。ちなみにうちの師匠ではなかった。)
仕方が無いので思っていることを伝える事にした。
僕:「あのね。ゴミを撮影しても綺麗じゃないでしょ?綺麗じゃない写真とってもねぇ?」
学生:「別に綺麗な写真が撮りたいわけじゃないです。テーマがこれだったので。」
僕:「社会派の写真てルポルタージュの事だから被写体はこれじゃないでしょ?」
学生:「でも先生の写真はこの様な感じだったので。」
僕:「それじゃぁ堂々巡りじゃん。そうじゃなくて、自分自身に撮りたい対象物って
   無かったのかって聞いてるの?」
学生:「・・・・・」
僕:「あなたたちはゴミを撮りたかったの?他に撮りたいものは無いの?」
学生:「・・・・・」
僕はそれ以上何も言わなかった。
多分彼らは与えられたノルマをこなす事だけに神経を通わせて、ものづくりっていうのを
考えていなかったのだと思う。
先生もただゴミの写真を撮って欲しかったわけじゃないと思う。
先生はシュールリアリズムな写真を見せたつもりだったのだと思う。
学生達に求めたのは見せた写真で、感じた事を自分なりの表現をして撮影をおこなって
欲しかったのだと思う。
しかし学生達には伝わっていなかった。
僕の感じるシュールな写真は上のような写真のですが、どうでしょうか?

今の時代は高価なカメラさえ購入できれば、即座にそれなりの写真が撮れてしまう。
便利なのだけど良い事ではない。
本来ならば自己主張が激しくて、感性が豊かな人が進むべき道を少し写真をかじった
だけの人が入り込んでしまう。
別に悪いとは言わないが悲しい結果になる事の方が多いように感じる。
現実はそれ程甘いわけは無く、厳しいものだ。
オートフォーカスとデジタルは確実に写真の世界を底辺に向かって裾野を広げているが、
その分弊害も多いような気がしてしまう。(自分で楽しむ分にはそれでも良い。)
プロに成りたいのならば、せめて自分の撮りたい写真ぐらいはわかっていて欲しい。
自己主張を表現できないようでは仕事にならないのだから。

せっかくなので上の写真になる前の状態も。(笑)
本日のレシピ
ツナ
トマト缶
玉葱
ズッキーニ
ペレローニ(パプリカ)
パルミジャーノ・レジャーノ
アサツキ
photo by GON
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by illy23 | 2005-01-29 09:40 |